”桜が満開だよ!”という友人からのメールで、知る人ぞ知る糸島の桜の名所に向かった。
ここは神社から海に向かって伸びる参道が桜のトンネルになっており、1年を通して地元民の憩いの場となっている公園である。
またここは「万葉の里」ともいわれ、約1300年前の736年頃、遣新羅大使に任命された阿倍継麻呂にが新羅へ向かう途中に立ち寄って詠んだ歌が万葉集に収められたと言われている。参道は海に向かって伸び、その先には穏やかな引津の海が広がっている。
しかし、第二次世界大戦時には、250kgの爆弾を装着できる水上爆撃機「瑞雲」の隠し基地である「第634海軍航空隊本隊玄海基地」が開設され、海軍航空史初の零式水偵雷撃隊を編成し、本土決戦に備えるための秘匿海軍航空基地となったという悲しい歴史も持ち合わせている。
そんな歴史を見てきたであろう桜の下では、いつしか弁当やお酒を持って集まった見ず知らずの人たちの宴会場になっている風景を見て、改めてこの国の平和を噛み締めるとともに、先の大戦で祖国を守るために命を捨てて闘ってくれた人々へ心から敬礼。
ところ変わって、こちらは波多江小学校横を流れる池田川に咲く桜並木であり、ここも地元民が愛してやまない桜の名所である。
川辺には段々畑のように広いコンクリートの階段が作られており、家族連れや恋人同士の花見客でにぎわっていた。また、桜並木の中央には鉄橋があり、高そうな一眼レフを抱えた鉄ちゃん達が集まっていた。踏切の音がし始めたので、負けじとシャッターを切り、桜のトンネルを通り抜ける列車を記録することが出来た。