糸島は自然の宝庫
糸島半島の最大の魅力は、美しい玄界灘と脊振山系に囲まれ、海の幸、山の幸と自然が満ち溢れているところだ。 景勝地では雷山千如寺大悲王院や白糸の滝、二見ケ浦の夫婦岩、芥屋の大門、1632年建立の櫻井神社に高祖神楽で有名な高祖神社、鳴き砂で有名な姉子の浜等、数えたら切りがない。
また特産物では、「あまおう」(イチゴ)や「伊都物語」(ヨーグルト)、加布里湾の「ハマグリ」や岐志の「牡蠣」、「糸島牛」や「糸島豚」から地ビールの杉能舎(浜地酒造)、「またいちの塩」等、これも数え上げたら切りがない。
さらに、イベントでは糸島市民祭りや周船寺、今宿、加布里等の花火大会やお祭り、子供神輿に盆踊り、朝市なども各地で開催され、2014年からは、新たに「福岡マラソン」のゴール地点にもなっている。 福岡市内、佐賀市内から1時間圏内で、自然豊かな糸島は、数年前から移住人気が高まっている地域のひとつとなっている。
ちなみに(糸島だけではないが)、糸島にも雪は降るし、数センチ積もることもある。 また、雷山や天山には(小さいが)スキー場もある。
糸島半島の中央部にあり、糸島の入口となるのが、このJR筑前前原駅(左)だ。 JR筑前前原駅は筑肥線上にあり、福岡市営地下鉄と繋がっている。 ざっくり言うと、福岡空港〜姪浜駅までが福岡地下鉄で、姪浜駅〜唐津駅がJR筑肥線である。
しかし、唐津〜福岡空港間の直通電車が約40分に1本の割合であり、一度も乗り換えることなく唐津から福岡空港へ行けるのは頼もしい。ただ、難点なのは(関東に比べ)運賃が高いことと、風が吹けば、すぐ運休してしまうことだ。
ちなみに、筑前前原駅から天神駅まで約35分、博多駅まで約40分、福岡空港までも約45分という利便性だ。
背振山系のひとつである雷山(標高955m)中腹にある「雷山千如寺大悲王院」は、紀元1世紀の中頃に開創されたと聞く。 本尊にある十一面千手千眼観世音菩薩(重要文化財)や秋の紅葉が有名である。 但し、境内にて秋の紅葉を観るためには拝観料が必要なのと、三脚使用は禁止されている。
しかし、境内の紅葉は素晴らしく、同じく脊振山系の反対側にあり、全国的にも有名な佐賀県神崎の「九年庵」と、その美しさを比較される程である。 ちなみに、地元民にとってこの雷山観音は、正月の三社参りや地鎮祭、新車購入、受験痔等の祈願寺となっており、祈願すれば、中の観音像を見ることができる。
脊振山系のひとつである羽金山の中腹にある「白糸の滝」は落差は約24m、幅約12mあり、滝の下ではヤマメ釣りもできる。
また、隣接の店舗では、流しソーメンや焼きヤマメが味わえ、市民の憩いの場となっている(夏季のみ)。
しかし、白糸の滝へ向かう道路は同時に佐賀県への抜け道になっており、また道幅や駐車場は決して広くないため、夏や秋の週末は渋滞がひどい。
以前は、珍しい二人乗りの電気自動車の貸出も行っていたが、現在は廃止されていて残念である。
ちなみに、写真にある二股の楓?は、昨年の大風で倒れてしまったと聞く。(画像は2012年夏のもの)
糸島市のHPの情報をまとめると、以下の特徴がある。
・夫婦岩は海岸から約150mの海中に屹立している
・古くから桜井神社の社地として神聖な場と崇敬されている
・伊勢の二見ヶ浦の朝日に対して夕陽の筑前二見ヶ浦として有名
景勝地としてはもちろんだが、夏には海水浴客が大勢押しかける。 しかし、隣接の無料駐車場は30台弱しか停めれず、他には飲食店の駐車場しかないのが難点。 また、小さい岩が多く波も荒い事が多いので事故も多い。
もちろん、地元民も海水浴に行くが、観光客が減り始め、日差しも和らいでくる16時頃から行くようだ。
ここは、環境省が認定した「日本の快水浴場100選」に選ばれた福岡県唯一の海水浴場であり、約400mの砂浜が広がっている。 夏になると海の家が数件立つが、秋から翌年春までは車で浜辺まで自由に乗り入れることができ、バーベキューをしたり、釣りをしたり、浜辺や岩場で遊ぶ観光客が多い。
(但し、四駆だからと粋がってスタックしても自己責任)
毎年7月後半には大花火大会が開かれ、また9月初旬には Sunset Live が開催され、2016年で24回目となる。 毎回多数のゲストで盛り上がり、これまでにはスガシカオや夏木マリ、小泉今日子、SHEENA
& THE ROKKETS、陣内孝則、泉谷しげる、東京スカパラダイスオーケストラ、氣志團、かりゆし58、キマグレン・・・といったアーティストが参加していると聞く。
この里公園は20数年前まで市内小学校の新入生歓迎遠足の地であった。6年生が1年生の手を引いて約6knの道を往復していたが、現在は「遠い?危ない?」ということで丸田公園や篠山公園等の近くの公園に変更となっており、保護者の間では「遠足」ではなく「近足」だと嘆く声もある。
眼下に見下ろす湾は加布里(かふり)湾で、現在はハマグリが有名である。 母の話によると、昭和20年頃迄は車エビが溢れんばかりで、毎日エビばかり食べていたと聞く。 また、私も小学校の頃には(天然記念物になっている)カブトガニが浜一面にいて、足で踏んで遊んでいたが、今考えると、とんでもない悪いことをしたと反省している。 飯蛸も良く釣れていたが、岸壁がコンクリート化されて以来、蛸が釣れなくなったのは残念。
昔は海の家が立ち並び、海水浴場として賑わっていたが、今では釣り人が数人来る程の錆びれた砂浜となっている。 また芥屋の海水浴場と違い、寺山海岸は急に深くなっていることと、遊泳者や訪問者が少ないので、泳ぎが得意でない人は注意が必要だ。
海岸の南端にはクルーザーを保管している「玄海マリーナ」があり、ジェットボート等で遊ぶリッチな若者が見られることもあり、付近はちょっとした別荘地にもなっている。 静かな浜辺で寛いだり、誰もいない夕日を眺めたい時、地元民は寺山海岸を訪れる。
なお、砂浜は低い松の木や柵で囲まれているが、入口付近に無料の駐車スペースがあるので、初めての人も難なく砂浜に入れるはずだ。
ここはJR筑肥線の加布里駅から一貴山駅へ向かう途中の踏切。 知り合いの「鉄ちゃん」によると、田んぼの中を遠くまで一直線に伸びた線路がある風景は貴重?な場所なんだとか。 普段この踏切を通っている私は全く気が付かなかったが、そう言われてみると納得。 暖かくなったら、もっとあちこちに行って、のどかな風景を撮影しようと思った。
ちなみに、糸島半島からちょっと西側に外れるが、一貴山駅の次々の駅名は「大入」。「おおいり」ではなく「だいにゅう」と読み、ちょっと有名になったこともある。 ここも昔はちょっとした海水浴場だったが、今では地元民&民宿の客しかいない海水浴場となっている。 しかし、海も砂浜も綺麗で、砂浜の一部を歩くと砂が鳴く「鳴き砂の浜」ということは地元民しか知らない?
岐志の牡蠣小屋から、さらに半島に沿って走った海岸線の風景。 この途中には、故高倉健さんの別荘がったと言われる糸島有数の別荘地がある。
この道は通り抜け出来ず、突き当りは有名な「またいちの塩」があり、すぐ手前に漁港があるが、港湾管理人がいて、駐車目的が釣りであろうが観光であろうが1日駐車料を取られるので要注意。
もちろん「またいちの塩」専用駐車場も隣接しているが数台しか停めれず塩園まで車で行く人もいるが、途中は離合どころか大型車は通行困難な狭い道なので、狭い道でバック運転に自信のない人にはお勧めしない。 昨年秋に行った時、上手くバックが出来ず半泣き状態で車体を擦りながら動けなくなった女性グループの車を誘導してあげたことがある。
神社の紹介によると、高祖(たかす)神社は彦火々出見尊、玉依姫命、息長足比女命を祀った神社で、元慶元年(877年)の項「筑前國正六位高礒比賣神に従五位下を授く」と記されているので、それが事実ならば建立以来1100年を超えており、伊都国の総鎮守様として奉られ続けているとのこと。
有名なのは神社だけでなく、毎年10月25日の夕方から深夜まで行われる夜神楽だ。 高祖神楽は、昭和56年に福岡県無形民俗文化財の指定を受けている。 また、近くには大物芸能人の別荘地もある、静で、不思議と心落ち着くスポットとして地元民に愛され続けている。
但し、正確に言うと、ここは糸島市ではなく「福岡市」になる
九州北部の人はみな知っているが、冬の福岡には雪が降る。しかも年に数回は積もることがあり、最近は毎年平地でも10cm程積もっている。
写真は積雪した脊振山系で、リフトは3本しかないが糸島から1時間半程で行け、レストハウスやレンタルスキーを備える天山スキー場(人工雪)はありがたい。 昔は雷山の頂上まで登ることができた(私が小学生の頃は「雪中登山」といって、学校から雷山の頂上まで歩いて登り、そり遊び等をし、また歩いて帰っていた)が、現在はNTTの管轄となっているで、車は雷山キャンプ場入口までしか登れない。しかし、写真のように降雪すれば、雷山観音辺りでも十分雪遊びが楽しめる。 但し、雷山キャンプ場までは、四駆でもスタッドレスかチェーンが必要である。
九州大学は、2005年から福岡市内の箱崎や六本松にあったキャンパスを、この伊都キャンパスに統合移転させ、今でも糸島半島の中央部に増設中である。大学側の話では、最終的には全学部が伊都キャンパスに移転するそうだ。 また、今話題の水素発電自動車の開発・実験を行っており、敷地内には風力レンズを使った風力発電機も立っている。安価でボリュームある学食はもとより、一般人でも登録すれば図書館を自由に使えるのはうれしい。
ただ、九州大学は明治時代に設立された帝国大学のひとつであるが、関東では何故か知名度が低く、未だに「福岡大学」が九州の国立大学と勘違いされているのは悲しい限りである。
景勝地として民間の店舗を紹介するのは筋違いだと思うが、ここは「店舗」と言うよりはむしろ、「昔はこうやって塩を作っていました」的な、昔からの自然製法を、自由に見たり、聞いたり、質問したりできる場所&手作りの自然木ベンチやテーブルに腰かけ、潮風を堪能したり、海岸を散歩したりできる場所である。
また、糸島に移住した方の大半は移住前にここを訪れたと聞き、「老後はこんな環境で生活したい」と聞いたので敢えて紹介する。 たしかに私も、老後はこのような潮騒が聞こえる海岸の静かな家に住み、毎日、穏やかな海や、沈みゆく夕日を見ながら美味しい珈琲を飲みたいと思う。 但し、唯一の欠点は、車高が低くて大型の車やキャンピングカーを所有することは難しいことである。
※以上は、あくまでも私の独断と偏見で選別・コメントしているのでご了承ください。